為替レートの経済学入門

今回は、国際経済学における為替レートの決定要因の基礎理論を整理したい。

外国為替の変動要因は?

為替レートとはその通貨の価値を市場が判断した結果なので、需要と供給のバランスで決まるというのが最も単純化した説明だ。

中長期的要因としては、金利差、貿易収支、インフレ予測などがある。

・金利が高くなった国の通貨は上昇、金利が低くなった国の通貨は下落する。
貿易収支が黒字になると、通貨高になる。つまり、輸出競争力のある国の通貨は、輸入国が取引のために所持する必要があるので、需要が増加し値上がりする。
・インフレとはモノの値段が上がり、通貨の価値が下がる。

短期的要因としては、為替介入、経済指標、地域紛争などがある。

・為替介入によって為替相場を安定させたいと思う国が多いが、国際的な批判の対象となる。

・市場の予想と違う実績値の発表は大きな為替変動要因となることがある。

・紛争や戦争が経済に大きな影響を与えると懸念された時、為替相場の変動要因となることがある。

最も有名な理論としては、スウェーデンの経済学者カッセル氏が提唱した購買力平価説がある。為替レートは2国間の通貨の購買力によって決定されるという「絶対的購買力平価説」と、2国間の物価上昇率の比で決定される「相対的購買力平価説」とがあるが、どちらも一定の妥当性はあるものの、現実はそう単純ではない。

もう一つの有名な理論は、金利平価説だ。「為替レートは自国通貨と外国通貨の名目金利の差によって決定される」という説で、為替レートの変動により収益率が収束していくという考え方だ。通貨が単なる金利商品ならば高金利通貨が買われるが、貿易の決済手段としての価値は金利だけでは決まらない。

上記の二つの理論は、フローからの決定理論だが、アセット(資本ストック)の需給関係から為替レートが決定される「アセットアプローチ」の理論もある。国際的に統合された資産市場における各国の通貨建てで表示された資産ストックに対する需給関係から、為替相場が決定されるとする考え方である。最近では、為替取引の大部分は、実需取引ではなく、資本取引から発生しており、そこに理論的根拠を置くものだ。

いずれにしても、結果論として、どの説や要因が当てはまるのかは議論できるが、将来を見通すのは非常に難しい。

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