ADの生みの親は、観光マーケティングを専門とする経済学者のダッラーラ教授である。
ジャンカルロ・ダッラーラ(Giancarlo Dall’Ara)氏は、1976年、北イタリアのフリウリ=ベネチア・ジュリア州を襲った地震の震災再興の取り組みがきっかけで、アルベルゴ・ディフーゾのモデルを確立し、2006年にイタリアにてアルベルゴ・ディフーゾ協会を設立した。
また、2020年3月には、東京都千代田区外神田2丁目17番2号 日本ファームステイ協会内に極東支部を設立し、日本でのAD普及をサポートしている。
日本語名:アルベルゴ・ディフーゾ インターナショナル 極東支部(ADIeo)
イタリア語名:Albergo Diffuso Internazionale “Estremo Oriente”
アルベルゴ・ディフーゾの条件
アルベルゴ・ディフーゾは地域ぐるみのおもてなしを宿泊を通して具体化するものであり、サービスの基礎となり得る。ホテルチェーン式経営とは真逆の、むしろ地域の伝統文化の根っこを支えるものである
経営形態 | ひとつの事業者が、一括して経営・管理していること |
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ホスピタリティのクオリティ | プロフェッショナルで心のこもったサービスであること/特に宿泊形態において |
建物と地域の規定 | 既存の建物を再利用したものであること。またそれが以前から人が暮らしてきた村や町に存在していること |
施設 | 飲食サービスを伴う食事処、レセプション、共同スペース、喫茶やバーコーナーなどの施設が設けられていること |
建物間の距離 | 建物間は宿泊客の移動が負担にならない距離にあること。レセプションのある母屋と別棟との距離は200m以内を目安とする |
地域 | 活気あるコミュニティづくりに寄与すべき存在であること。町にせよ集落にせよ無人であってはならない |
環境 | ありのままの環境があること。直面する現実と、地域の文化が融合していること |
認識性 | はっきりとしたアイデンティティと、提供サービスの質がいつも安定していること |
地域性 | 地域や地域文化と一体化した経営であること |
連帯感 | アルベルゴ・ディフーゾとしての誇りと、アルベルゴ・ディフーゾ同士の連帯意識を持って活動すること |
アルベルゴ・ディフーゾに参加することで、さまざまなメリットがある。
■空き家増加問題を解決できる
■人口減少を食い止められる
■地域全体の資源(空家・食材・景観etc)を活用することでグローバルネットワークを広められる
つまり、地域と事業者と観光客のWin+Win+Winの関係が成り立つ仕組みだ。